其処から / 此処から、コスモスが、秩序が、宇宙が生まれるのです
コレクションはコネクションを生む
広がる意味やイメージの枝葉はどこかで繋がっているし
何より人間の頭が潜在的な繋がりに気付かずには居られない
(お好みで認知科学的に云うんなら、
脳が認知処理を節約するために知識を構造化する)
(別に悪くないし十分面白いが
色気とメタファに富んだ言い回しって大事だと思わないか)
(其処にもまた、アナロジーという重要な術が)
(実証科学教は人々を疑い深い馬鹿にした)
(……あれを強引に実証科学と結婚させようとした奴に比べれば
実証科学主義者なんてまだ可愛いものだと思う)
(ぼくは太源の術の面目を汚すような奴は絶対に許さないぞ)
(最大の敵は同業者、か?)
今日は花火大会があったので 人と車がそこらじゅうにあふれ出していた
家族連れからヤンキーから売女まで みな浮き足立って可愛らしいものだ
空に花が咲くたびに どん、どん、ぱん、 と
柔らかい破裂音が心臓と鼓膜を叩いて
心中まったく穏やかでない(今は基本的にずっとよろしくないのだが)
行く手の空には膨らみかけた上限の月が煌々と輝いていて
その光はまっすぐ心の奥深くにまで差し込んだ
花火と月は、まったくポジとネガだ
月を見ても花火が聞こえるのはいけない
視覚と聴覚は一体なのだから……
僕は月しか見ない
あの光は、まったく理性的だね
太陽の光のほうがおかしくなるよ
特にこのごろ、なんだっけ、夏、そう夏ってやつだから
日中なんてまぶしくて目が良く見えないし
視神経から脳のシナプスが灼き切れそうになる
月の裏の土地は狂人しか買えない様にしなくてはならない
ルナティック・ランドだ 当然ノーマンズ・ランドで
其処に王はいない 居るのはフールだけだ
何かの間違いで…(何か?気の違い以外にあるもんか)
迷い込んだとしたら、ねえ、……?
僕の国はそのあたりとご近所さん
月はまったくいつだってルナティックだが
実は私はそれ以上に朝焼けと夕焼けに首っ丈だったりする
(月の無い夜ですら夕暮れほどに危険ではない!)